故郷の発展を願って

東京岐阜県人会
会長 吉村泰典氏

この度、東京岐阜県人会の臨時理事会のご推挙により、会長に就任致しました。内閣府参与に御就任されている前任の松田隆利会長が、菅官房長官が掲げる内閣府や内閣官房のスリム化、省庁の役割分担を見直すとの方針の推進役として公務に専念しなければならないため、辞任の意向を示されました。これを受けての理事会の招集でありましたが、私にとっては器量を超えた大役と固辞させて頂きました。しかしながら、歴代の会長や理事の皆様方の強いご推挙もあり、浅学菲才を顧みず、勇を鼓してお引き受けすることになりました。

私は医学部卒業後、一人の産婦人科医師として一人の教育者として医療の現場に身を置いてまいりました。これまでふるさと岐阜の空に想いを馳せながらも、お役に立つことはできませんでした。しかしながら、2013年の3月に第2次安倍内閣の少子化対策・子育て支援の内閣官房参与を拝命し、わが国の将来を憶うに越えなければならない大きな障碍は、超少子・高齢化の問題であると考えるようになりました。日本創成会議によれば、わがふるさと岐阜においても多くの市町村の消滅可能性が指摘されています。これまで古田肇県知事は、さまざまな難局にも勇然と立ち向かい、周匝懇篤に歩々を進められ、素晴らしい県政を司ってこられました。女性活躍の場を拡げること、少子化対策こそが、ふるさと岐阜の創生の端緒を開くと確信しております。

知事をはじめとする岐阜県民の皆様のご努力に少しでも報いることが、この県人会の大きなミッションであります。これまでの本会の良き伝統を守り、かつ新たな視点を模索することにより、本会の更なる発展に貢献できるよう微力ながら努力をいたす決意であります。会員の皆様方の絶大なる御助力、御支援を切にお願い申し上げます。

2014年10月18日


吉村泰典氏 プロフィール

1969年 岐阜高校卒業

1975年 慶應義塾大学医学部卒業

1983年 米国ペンシルバニア病院research fellow

1984年 米国ジョンズホプキンス大学instructor

1986年 藤田保健衛生大学医学部産婦人科専任講師

1990年 杏林大学医学部産婦人科助教授

1995年 慶應義塾大学医学部産婦人科教授

●主な学会活動

2007年 日本産科婦人科学会理事長(2011年まで)

2010年 日本生殖医学会理事長

2011年 日本産科婦人科内視鏡学会理事長

その他数多くの学会理事歴任

●主な学会外活動

厚生科学審議会専門委員、法制審議会委員、内閣府総合科学技術会議専門委員、文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、日本学術会議生殖補助医療の在り方検討委員会委員などを歴任専門は、生殖生理学、生殖医学、臨床内分泌学これまで3千人以上の不妊症、5千人以上の分娩など数多くの患者の治療を担当。福島県立大野病院問題の解決、HPVワクチンの公的助成や特定不妊治療費助成制度の確立、周産期医療従事者の待遇改善、出産育児一時金や妊婦健診の公的助成の増額など、わが国の周産期医療の危機を救い、女性の健康力増進に貢献「生殖医療の未来学―生まれてくる子どものために―」など、生殖医学に関する著書多数